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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第126号 ’02−02−22★
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グループ・シンク
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●歴代大臣の誰と比べても
遙か率直に<自分の言葉>で喋る小泉総理が好ましく思え、ミーハーを
決め込んで来ましたが、時折まるで他人事のようにコメントなさるので、
え?ツメタイな、と首を傾げることはありました。
しかし、あの「泪は女最大の武器」は特別でした。 情報伝達不十分で、
という説もあったが、たとえそうでも前外相を適切に支援し続けていた
ら、<泪>させずに済んだろう、、
など思う間もなく「三方一両損、、」でガックリ。 こりゃ、ダメだわ。
何か一言書き送らなくちゃ気持ちが収まらない、と我が女房は憤ったが、
官邸が一々読むものか。 取りあえず両名のコイズミ・マガジンを解除。
2/200万、即ち1/100万のささやかな不支持表明に留めました。
*
その後、「三方一両損」が青木参院幹事長から出ていたと知るに及んで、
ライオンも<村>の狸たちには勝てなかったのか、、と嘆息。 しかし、
「国会審議を混乱させた。 国会を正常化させるためにやむを得ず、、」
とは、どこかで聞いたような? そうさ、「社内の和を乱した。 キミ
には辞めてもらう、、」 で、オレを切りやがったヤツがいたっけ、、
要するに<村>の屁理屈。 その<自民村>を「反対するなら私がブチ
壊す!」はずの人が、自分の城を壊すとは。 深慮遠謀あってのことと
信じたいが、もう少し分かりやすくしてはもらえないものか?
たとえ<変人>でも、内閣や党という<グループ>のリーダーを務める
からには、相応のスキルが必要。 それにも色々あるけれど、この際は
ハーベイ・ブライトマン教授の3項目がピッタリです。 即ち、
・聴く能力と論旨を明快にするスキル
・支援し力づけるスキル
・建設的な意見の対立を引き起こさせるスキル
(「グループ戦略思考学」p.92/3 プレジデント社
'92年)
これらのどれも、小泉総理、<NGO排除問題>では適切に発揮なさら
なかった。 当然、「効果的な問題解決が難しくな」ってしまった。
* *
山積した諸問題の多くは<村>の先輩たちからの<先送り>プレゼント。
その流れを変えよう、改革! の小泉氏を国民が支持したのは、危機感
ヒシヒシ、今までのやり方ではダメ、と思ったから。 なのに、
その彼が、NGOウヤムヤ以来、ダメな方へ引き戻されつつあるように
見える。 彼にスキルが無いからか、あっても歯が立たないほど<村>
が堅固なのか?
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●ブライトマン教授の前著
「戦略思考学」(プレジデント社
'83年)は大前研一氏の<まえがき>に「さまざまな問題解決の方法がよくまとめられている、、(マッキン
ゼー社の)社内研修で使おうということになった」ほど良い本で、私も
大いに活用▼させてもらいました。 敢えて言えば、
Rational Process (KT法)を「新しく発生した乖離問題の原因解明
の技法」と、PAに限った形で紹介しておられる◆のが解せない。 が、
もっと困ったのは、社会学者アーヴィング・ジェーニスの説である
<グループ・シンク>の弊害を特筆していること。 たまたま我々講師、
EM法は小集団活動をより効果あらしめる技法だ、としてしていたもの
ですから。
▼この本で説かれた方法の多くは
Rational Process に置き換えて解説する事が出来る。 逆に、
Rational Process の応用事例として読み解くと理解しやすい本、とも言える。
◆教授にKT法を伝えた人が、PAだけで終わりにしてしまったか、
よほど理解が浅かったか、でしょうな。 技法は<誰から>学ぶ
かによっても役立ちが大いに変わる、の一例かも。
*
(p.71に)引用されている資料に、グループ・シンクの症状は「解決案
が絶対成功するという幻想」や「同意を強要する、グループの圧力」で、
「時間がかかる」、「疑念を抱く人が批判されると感情的にこじれる」
などの問題が発生しうる、とある。 良くない考え方だ、とバッサリ。
そう言われても当時、日本経済は好調、ひょっとしてナンバー・ワン?
だったから、必ずしも<集団思考>が良くないとは思えず、未だ日本を
よく研究なさっておられないのではないか、とすら疑いました。
そして約10年後、副題<チームによる創造的問題解決法>で出たのが
「グループ戦略思考学」だったので、やはり考え直して下さいましたか、、
と思いきや、ジェーニス説には依然ご執心。 前著より詳細をきわめて
<良くない考え方>だと強調なさる。 即ちグループ・シンクは
「結束が強く、長い間活動を共にしているグループには、、、発生する
率が高い。、、何が何でもコンセンサスを達成しようという態度であり、
グループの問題解決能力の深刻な低下を招くものである。」
(p.90) と。
「グループのメンバーは、、、他のメンバーのアイデアに対する批判を
自ら抑えてしまい、グループ内の対立をできるだけ避け、全体の合意に
導こうとする。、、暗黙のルール、、が、、受け入れられるようになる、
、、この結果、まずい意思決定に至る場合がよくある、、」(同)とも。
やれやれ、10年前の本だが<仲良しクラブ日本>への痛烈な批判でも
あるし、<閉塞>に陥った原因の指摘でもある。 <村>の衆がうまく
問題を解決できずにいるのは、その良くない思考パターンのままだから、、
* *
またジェーニス
'82年の著書からも引用し、グループの構造やリーダーの問題点を要約していわく、
・似寄りのメンバーが構成する、外部と隔絶されたグループで、
・構造が不適切な上にリーダーシップが弱く
・個々の問題を徹底的に議論する方法を欠いている
永田<村>の<党>も<派閥>も、霞ヶ関<村>の各<省>も、まさに
そういうグループ、ですからねえ。 良い考えなんか出るわけ無いんだ。
* * *
またグループ・シンク、即ち<合意することへの衝動的欲求>が生じる
状況要因としては、
・極度に困難な問題に直面してストレスが高まっており、
・すでにグループの決断の失敗が最近あって、
・リーダーが出したのより良い案が見いだせる可能性が低い
だから、<長老>の考えに賛成しておくほか無い。 <議>員は名のみ、
<議>論は無し。 ただ派閥や党の決定に従う<1票>でしかない、、
から
p.96、「これ以上頭を悩ませたくない、早く終わりにしたい」で、
・重要かつ基本的な仮説を検証せず
・他者を類型に当てはめてしまい
・異論を出す人に強い圧力をかけ
・全員一致の幻想をメンバー全員が抱き
・グループに合わない情報を、、グループに流れないようにする
「メンバーは解決案にすぐに合意し、反対者は無視されるか、グループ
から外される」なんて読むと、たちまち<官邸と前外相>が思い浮かぶ。
「グループシンクが発生すると、、自分たちが間違いを犯すわけが無い、
あるいは、後ろ指をさされることは無い、と考えるようになる」、、か。
こりゃムネオさんだな、、 いや、ノガミ君も、だな、、 (p.97)
「、、部外者やグループの意見を支持しないメンバーに対し、お決まり
のマイナス・イメージのレッテルを貼る傾向がある」からNGO参加を
拒否したりしたのでしょう。 ああ、永田<村>、霞ヶ関<村>、、
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●そこはプラグマティズムのアメリカ人、
教授は第三章で、そのような不都合を克服するための様々な提案をして
おられる。 まあ、<村>の衆が読んで参考にするとは思えませんがね。
第四章では、「チームで問題解決する気なら、、異質で多様なメンバー
でチームを編成する」のが良いとし、それが次の5目標を達成するのに
必要であることを詳しく説明しておられる。 即ち、
・アイデアや仮説の現実性検証
・解決策のスムーズな実施
・反対意見の尊重
・多様な役割分担
・疑問の創出と解明
ユングの説をも用いて、四つの心理的機能類型、四つの管理者スタイル、
八つの意思決定スタイルを考慮しようというお勧めだから、リーダーは
すべからく心理学者でなくてはならない、といった感じ。
そんなリーダー、<村>にいるかしら? いないだろうねえ、、
*
以下最終第七章に至るまで、目標達成に役立ちそうな技法的提案が続き
ますが、何故かKT法への誤解は改まらないまま。 困りますなあ。
教授のご推薦は<世界観変更法>(p.240-)で、それは「最初、拡散させ」
「その後、、絞り込んでいく」「グループによる問題解決法」だそうで。
一方KT法は「収斂的で」「質問に答えながら原因の探索範囲を狭めて
いく」「「一個人による問題解決法」、、 それはPAですぜ、教授。
DA、PPA、SA、どれも<広げて><絞って>の反復です。 それ
をご存じないとは実に遺憾。 私にレクチャーさせてくれればなあ、、
* *
当然、前著同様、<世界観変更法>のどの部分も
Rational Process でカバーできる、と私には思えました。 それをここで説明するつもりは
ありませんが、言いたいのは、
日本人の<以和為貴>はどうやら<グループ・シンク>そのものだ、と
いうこと。 村八分がコワイ、ために、外の世界が見えず、良い考えも
浮かばず、もちろん決められず、実行できず、閉塞が打開できない、、
だから職場リーダーたるあなたも、<村思考>から抜け出す必要がある。
それにはブライトマン方式も宜しかろう。 が
Rational Process なら、すでに修得済みかも。 それを存分にお使いになれば<世界観変更>も
難しくはないでしょう。
よく思い出せない人、使い方に首を傾げている人、「おたすけマン」を
活用しなくちゃ損ですよ。
■竹島元一■
固い話でお疲れ様でした。
■今週の
<私の写真集から>は、 ★ひと休み★
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